「逆」カルチャーショックって何?海外から日本への帰国後に体験するカルチャーショックをまとめてみる
海外へ居住した場合、日本に帰ってきたときにも「逆」カルチャーショックを感じることがあります。
海外でのカルチャーショックについてはよく取り上げられますが、日本への帰国時に感じる逆のカルチャーショックについては、あまり注目されていないようです。
筆者は日本に帰国して1年くらいは、このことについてかなり悩みました。
国際結婚の場合や海外とつながりのある方は、海外でも「外国人」、日本でも「ちょっとおかしな人」になってしまい、自分の所属やアイデンティティについて悩むことも多いと思います。
今回はそういった悩みをどう解決していくか、筆者の経験をもとにまとめてみます。
逆カルチャーショックって?どういう状況で感じる?
海外生活ではだれしも、文化(カルチャー)の違いによるストレスを常に感じている状態だと思います。
しかし、最初は違いにビックリしたことや、自分では「合わない」と思っているであろう文化であっても、数年以上住んでいればなんと自然と自分の中に根付いていきます。
筆者は自分では日本の文化のほうが合っているのではと長年思っており、日本の文化そのものもとても好きでした。
しかし、長年の居住は想像を超えるすごさがあります。
全く意識していなくても、自分のなかに自然と文化が入っていくのです。
考え方もそうですが、身体の動かし方や表情なども含めて、徐々に変わっていくようです。
自分の身近にいる人の行動やくせなどが自分に移っていくように、地域単位でも同じことが起こっていると、筆者はかなり後になって気づきました。
生活の中でドン引きされること多々
筆者が一番感じたのは、おもにプライベートな場面での、人とのやりとりにおける問題です。
筆者は日本で生まれ育っていますので、日本の文化や日本流のコミュニケーションについてはよく理解しているつもりでした。
就業経験もあり日本人とのコミュニケーションについては自信があるほうでしたが、それでも帰国~1年くらいは「えっ」という顔をされることも多々ありました。
たとえばこんなシーン
ちょっとした集まりなどで、終わりのほうで「質問はありますか?」と聞かれることって結構ありますよね。
今思えばこの「質問はありますか?」=「これで終わります。(終わりたいです)」という挨拶のようなものだったのですが、筆者は最初のころ、本当に質問をしてしまい、イロイロと突っ込んだことを聞いてしまいました。
後からよくよく考えてみたら、かなり滑稽なことだったのですが、それに気づくまでに半年以上かかりました。
そのときはあまり気にしていなかったのですが、そのうち「なんか周囲の反応がオカシイ・・・」と感じ始めます。
場合によっては聞くことがそれほど悪いことだとも思いませんが、とくに日本の学校や地域関連の場所では、すこしは周りの様子も気にした方が良いという結論です^^;
正直に言いすぎるのは良くない?
はっきり言わないとやっていけない海外生活のせいなのか、どうやら自分の発言が「正直すぎる」のではないかということにも気づきました。
ダメだったときの相手の表情を見るのは、結構ツライものがあります。
自分も「繊細な日本人」のつもりだったのですが、どうやら離れている間にこの「繊細さ」や「空気を読む力」のようなものが、少しずつ失われていたようです。
これについては周りの人の反応を見ながら合わせていくしかないのですが、これにもやはり数か月の期間を要します。
ただ、自分が生まれ育った国ですから、何度か失敗を繰り返しても、相手の気持ちや考え方を想像することは、海外でのそれと比べると、比較的容易に感じました。
時間が解決してくれる 相手への尊敬と思いやりを大切に
海外の文化に慣れることに時間がかかるのと同じで、根っからの日本人であっても、長い海外生活のあとは、日本の文化にふたたび慣れていくにも時間が必要です。
多かれ少なかれ誰でも味わうことですので、あまり悩み過ぎず、相手への尊敬の気持ちと思いやりを持って接していれば、最初のうちの多少のアレコレは理解してもらえると感じます。
時間が経つうちに少しずつでも自然と馴染んでいけるはずですので、そんな部分も自分の個性であるととらえ、同時に周りへの配慮は忘れずに、試行錯誤していくことが解決策だと思います。
悩むということは、周りのこともしっかり考えているサインです。
自分も周りも常に変化していますので、思いやりの気持ちさえ忘れなければ、自然と受け入れらると思います。
ポイントは、傲慢(自分本位)にならないで、でも根底の部分の自信(アイデンティティ)はしっかり持ち続けることではないかと、今の段階では感じています。