英語の翻訳の仕事とは?翻訳内容、採用でみている点など、翻訳業の気になるあれこれ
企業で翻訳業務をした経験から、翻訳内容、仕事内容、採用でみているポイント、求められる技術(英語力だけで良いのか)、ブラックな面など、翻訳の仕事に興味のある方向けに、気になるあれこれをまとめてみます。
ただし、あくまで個人の経験を書いていくので、すべてのケースにあてはまらないことはご了承ください。会社や細かい業務内容によって様々だとは思います。
英語系の記事は激戦区でなかなか検索率が上がらないため、身バレしない程度に試験的に書いてみます。
- 翻訳内容は技術翻訳やビジネス関連
- 日本人スタッフは基本、英→日翻訳を担当
- 採用の際は何をみている?
- 仕事は忙しい?自分のペースでできる?
- 英語好きにとっては半端ないやりがい
- 英語を「話す」シーンは実はそんなに多くない
翻訳内容は技術翻訳やビジネス関連
担当したことがあるのは技術翻訳とビジネス関連がメインで、ときどきウェブサイトなどもありました。
また、他によく聞くのは特許翻訳です。
技術翻訳は文学の翻訳とは全く異なる英語ですが、ビジネス関連の仕事やウェブサイトの翻訳は、技術翻訳よりは少し文学に近い要素がありました(意訳に近い部分もあったり、用語を揃えることにあまりこだわらないなど)。
技術翻訳は英語が読めるだけでははっきり分からない部分も多く、最初の頃はとにかく勉強の日々という感じでした。
扱っている商材などついてよく知り、細かい部分まで頭で分かっていることが求められました。英語を単に日本語にしても???ということも多く、納得できるまでひとつの部分にかなりの時間を使ってしまうこともありました。
翻訳者+チェックの2人体制ではありましたが、どちらも社内の人間です。
そのまま文字になってしまう怖さ(失敗が許されない)があります。
日本人スタッフは基本、英→日翻訳を担当
これは企業や団体によっても変わりそうですが、筆者が仕事をしていたところでは、日本人は基本英語→日本語の翻訳を担当しました。
最初はチェック業務から入って経験し、そのうち真っ新な翻訳も担当といった流れでした。
ときどき日本語→英語の仕事(主にチェック)を担当することもありましたが、その際も必ず最後にネイティブチェック(日英対比ではなく、英語だけのチェック)も入りました。
これは全て、完成品が不自然な文章になるのを避けるためです。
逆に外国人スタッフ(英語ネイティブ)は、どんなに日本語に長けていても、在日歴が長くても、英→日翻訳を担当することはありません。
日本語→英語の場合、英語ネイティブのプロの翻訳者が訳したものをチェックするのですが、チェックする主なポイントは、「日本語の解釈が間違っていないか」でした。
日本人でも日常生活では使わないような語句も多いです。
普通に英語が読める必要はありますが、どちらかというと日本語力のほうが問われる仕事だなと思いました。
英語→日本語に訳す場合も、英語以上に日本語の使い分けもしっかりする必要があるなと感じました。
採用の際は何をみている?
採用担当業務をしている人と親しくしていたため、実際の採用の際にはどんなところが見られているのかについて書いてみます。
書類の段階で、TOEICの点数や英語を勉強してきた経緯(経歴など)
TOEICの点数や経歴は、主に最初の書類段階で見られています。
逆にみると書類さえ通ってしまえば、この部分はあまり関係なくなるとも言えます。
日本語力
経歴、生い立ち、資格などから、しっかりした日本語が使えそうかどうかも見られていると思います。
翻訳の場合、英語にとても長けていても、相応の日本語力がないと厳しいと思います。(英語ネイティブの場合は外国人枠になると思います)
パソコン関連
パソコンで事務作業ができるのは基本と思います。
編集系で使われるPCソフト(ツール)は使えるに越したことはないです。
一番のキーとなるのは実務試験
一番の鍵となってくるのは、面接のときに受ける実務試験のようです。
実際の業務とほぼ変わらない試験があります。
この試験が満点、もしくは満点に近い点数の人から候補を選ぶと聞きました。
プラス、人柄
候補のなかから選ばれるための要素には、実際のところ人柄も入っています。
たとえ試験が満点でも、面接で「この人とは一緒に働けない」「会社のカラーに合わない」と思われたら選ばれないようです。こればっかりは相性、フィーリングの問題ですね。
(会社によって違うと思いますが)大まかには、
翻訳はコツコツ作業なので、細かい作業を丁寧にできること。
要所を深く追求できること。(一応ビジネスなので追求し過ぎも×。ほどよい追求)
静かに座って長時間作業することに耐えられそうか。
社内・社外の人とうまくコミュニケーションが取れそうか(自分勝手に仕事を進めないか)。
などが求められると思います。
ぱっと見ただけでは深く分からないので面接の印象でしょうね。
実際、上記にあてはまらない場合は、業務をしている本人がしんどいと思います。
仕事は忙しい?自分のペースでできる?
仕事が忙しい時期とそうでない時期があり、決まっている納期に合わせてスケジュールを組んで仕事をする形でした。
忙しくない時期は次の仕事の下準備をしたり、終わった仕事の整理、システム面の提案や会議などをすることもありましたが、落ち着いている期間はあまり長くありません^^;
こうした業務をいくつか平行している状態のほうが多かったです。
正直、筆者はすごく忙しいと感じることのほうが多かったです。
もっと仕事ができる人なら違ったのかもしれませんが・・・
忙しい時期は終電までということもありましたし、徹夜することになったという話は結構聞きました。こうやって書いてみると結構ブラックですね・・・
会社や規定などによってはもっと働きやすいのかもしれませんが、納期がある仕事は時期によってはこうなりますね・・・。
自分のペースでできるといえば、そうとも言えるかもしれませんが、基本、他人に頼めないケースが多い(共有しない)ので、納期ファーストで自分の都合は後回しになると思います。
筆者はとてもじゃないけど子育てとこの業務量は両立できないと思いましたし、実際子供を育てながらという人はいませんでした。
英語好きにとっては半端ないやりがい
しかし、とにかく翻訳がしたい、翻訳に情熱をささげたいという人には、とてもやりがいのある仕事だと思います。筆者も当時はそうでしたし、これ以上に面白い仕事はないと思いました。
英語の勉強(翻訳の勉強)も、仕事をしながら必然的に毎日することになりますから、英語や言語を愛している人にはたまらないです。
今の時代は在宅で仕事もできますが、やはり、内容は企業で担当するものの方が断然やりがいがあり、自分で探さなくても大規模で重要な仕事が常にできます。(その分忙しさは桁違いです^^;)
英語を「話す」シーンは実はそんなに多くない
会社や環境によっても違うとは思いますが、翻訳はパソコン作業中心なので英語を「話す」ことは直接仕事に関わってきません。
日→英の翻訳者など、英語ネイティブのスタッフもいますが、日本語に長けているケースがほとんどです。英語で話したい場合は英語でも話せますが、英語のコミュニケーションが絶対というわけではないです。
日本語で話さないといけないシーンがあったりもします。(上の人が日本人の場合など、英語が話せても話さない方が良い状況もある)
ただ、外国人翻訳者と意思疎通を取る場合、たとえそこで使う言葉が日本語であっても、英語圏のコミュニケーション方法を知っていることはプラスになります。
まったく別の業界で上司の一部が外国人といったケースのほうが、英語を「話す」「使う」という状況は多かったです。これに比べると翻訳の仕事は「英会話」はあまり要りませんでした。
英会話メインで活躍したい場合、翻訳の仕事は予想と違うこともあるので注意が必要です。