挫折しない英文多読のポイントをご紹介!段階を踏んでレベルをあげるのが吉
英文多読に挑戦してみたけれど、途中で挫折してしまったという方もいると思います。
実は英語の多読にはコツがあって、いきなり難しいものに挑戦してもすぐにあきらめてしまいがちです。同じくらいの英語力でも、本の選び方や進め方を工夫するとぐんとすすめやすくなりますので、この記事ではそのあたりのポイントをまとめて紹介します。
洋書選びが肝心!最初から難しいものを選ばないで
英文多読は、なるべく辞書をひかずに和訳せずに読んでいき、英語で考える力をつける方法です。
簡単な本から初めてだんだんと英語のレベルをあげていくのがポイントなのですが、
日本では中学~高校まで学校でも英語を勉強しますので、
最初のレベルを高く設定してしまう人も多いです。
単語は結構知っている!と思う方も多いとは思いますが、挫折してしまうパターンの多くが「本が難しすぎる」「話が長すぎる」→読めないのに読書そのものに飽きてしまう、です。
最初は「ちょっと簡単すぎるかも?」と思う本を選んでみてください。
どんなに簡単なものでも1・2冊読めると、自信がついてどんどん読みたくなります。
よく耳にする失敗パターンは、「ハリーポッターが好きで、ハリーポッターを洋書で読んでみたけど読めなかった」です。
ハリーポッターは最初から英文に慣れていて(ある程度読める)、そのうえでハリーポッターが本当に好きでないと厳しいです。
初めての洋書でハリーポッターはハードルが高すぎます。
次はおすすめのシリーズを紹介しながら、選び方のコツをみていきましょう。
子供用に作られた教材を利用する
ペンギンリーダーズなどのリーディング用教材もなかなか読み切れない!
という場合は、子供用に作られた教材で試してみてください。
リーディング力をつけるための工夫が凝らされているほか、レベル別に分かれているので英語力に合わせて選ぶことができます。
Usborneというイギリスの出版社が出しているシリーズは、なかでも絵が綺麗で分かりやすいです。
こちらのシリーズにはCDもついているうえ、CDにはアメリカ英語とイギリス英語の両方が収録されています。
CDをかけながらシャドーイング(CDの英語に合わせて同時に発音すること)をすることもできるので、リスニング対策にもなるという優れものです!
※CDも欲しい場合、インターネットショッピングでは、必ずCD付きと表記されているものを選んでください。
一例として"The Mouse's Wedding"はレベル2のものですが、何を読んでも挫折してしまうという方は、このくらいから入っていくのがおすすめです。
短めではありますが文章もしっかり書かれていますし、子供用とはいえど、しっかり英語の勉強になります。
挿絵が多いので、分からない単語があっても推測しやすいです。
英語を読みながら「情景をイメージ」し、英語を「イメージで覚える」のは、英語を和訳せずに読むためのキーポイントです。
挿絵の多い教材は、まさにうってつけのアイテムです。
Kindle版も出ているので、人前でかわいい子供用教材を出すのは恥ずかしい!と言う方にもおすすめできます。
とてもおしゃれな絵なので女性の方はハードカバータイプも楽しめると思いますが、ビジネスマンの男性が電車で読むのには、Kindle版の方が適していますね。
また、"The Sceret Garden"はレベル4の一例ですが、レベル4あたりになると英文が大分本格的になってきます。
ページごとの文字密度も増え、読みごたえも増します。
ものによっては、大人用のリーダーズ1に近いくらい充実しています。
レベル2あたりはすぐに読めてしまったという方は、このあたりの本をいくつか読んでみてください。
リーディング系の教材はやはり優秀!
アメリカの教育系出版社であるScholastic社も、レベル分けされたリーディング教材を手掛けています。
教材というと堅苦しく聞こえてしまいますが、「ごく薄くした、簡単な洋書」と考えれば分かりやすいです。
大抵の洋書は2~3センチ程度の厚みがありますが、Scholastic社の教材はどれも2~3ミリ程度ととても薄いです。
英文多読に初めてチャレンジする方でも、十分読み切っていける長さのお話がそろっています。
The Little Prince
映画化もされている不朽の名作、「星の王子さま」の英語版です。
哲学的な内容なので深く理解しようとするのは大変ですが、字面を読むのは難しくないためレベル1に設定されています。
それほど難しい単語はないため、日本語でストーリーをある程度つかんでいる場合はすらすら読めると思います。
日本語だと分かりにくい言い回しも、英語だとすっと入ってくるので、英語の学習にも効果的です。
これくらいのストーリーが読めると英語力への自信もつきますので、ぜひ試してみてください。
話が長くないので、全体を理解しやすいところもポイントです。
Scholastic Readersはレベル4までありますので、レベルを上げながら様々な読み物に挑戦することができます。
英文多読といってもただ読むだけは禁物!
英文多読では、分からない単語をその都度調べることはせず、文脈から意味を考えながら読んでいきます。
全体の30~20%程度の単語が分からない場合は、想像しながらだいたいの話の流れをつかむ事も可能です。
低いレベルの文章からスタートするのはこのためです。
ただし、全体の50%~60%が分からない場合はどうでしょう。
50%以上の単語が分からないケースでは、たとえ一冊読み切ったとしても、まったく文脈がつかめず、何の話か分からないということになります。
そのため、低いレベルの英文を読んでいるうちから、しっかりと単語の意味を押さえ、分からない単語をつぶしていくことが大切なのです。
英文多読に途中で挫折してしまう場合、分からない単語を放置しているケースが多いのです。
読みながら分からない単語をマーキング!
ただたくさんの英文を読むだけでは、実際はなかなかレベルを上げることができません。
ではどうするのかというと、
分からない単語に印をつけながら読むのです。
鉛筆やペンで線を引くか丸をつけます。
Kindleの場合はアプリ上にブックマークして読みます。
最初に読む段階では、分からない単語はスルーして読み進めます。
ただし、途中で単語を調べる作業を必ず入れるのです。
これをしないと、ただやみくもに分からない単語をスルーして読むだけでは、
全く読めるようになりません。
コツは、調べる間隔をだんだん開けていくことです。
最初のころは、1ページ間隔くらいで、単語を調べる作業をします。
そして、全く分からない文章があるときは、意味が分かっている状態できちんと読み返してみるのです。
次は2ページ、
4ページ
10ページ
1チャプター(1章)
2チャプター
4チャプター
1冊
という具合に、単語を調べる作業をしなくても、ある程度意味を分かって読める量をだんだん増やしていくのです。
リーダーズのレベル1のように易しい本でも、英文を読む事に慣れておらず、分からない単語も半分くらいあるような状態では、
英文多読方式でスルーしながら読んでしまうと、全く意味がつかめないということになります。
易しい本→難しい本にレベルを徐々に上げていくだけでなく、
分からない単語を調べるところから初めて、調べずに読む間隔をだんだん開けていく方法も取り入れてみてください。
本格的な洋書の場合もセレクトに注意(ビジネス書は上級者向け)
レベルの高いリーダーズが読めるようになってきたら、本格的な分厚い洋書にもチャレンジしてみたいですよね。
誤って内容のすごく難しい洋書を選んでしまうと、まったく読めないということになります。
ここでは洋書選びのコツをご紹介します。
最初はフィクションから入るのがおすすめ
書店に行くとたいていはカテゴリ別に陳列してありますが、
洋書入門の場合はフィクションコーナーから選ぶのがおすすめです。
日本で有名なビジネス書や自己啓発本の原書が、目立つ場所に置いてあることもありますが、そういったジャンルの本は理解するのがとても難しいです。
フィクション(物語)には読みやすいものが多いため、最初はフィクションコーナーから選んでみましょう。
なかでも「ラブストーリー」ものには、あまり難しい単語が使われておらず、易しいものが多いです。
「会話文が多いこと」も、楽に読める洋書を探すときのポイントです。
以前のブログ記事でも少し紹介しましたが、
Sophie Kinsella の本は会話文が多くとても読みやすいです。
話の面白さからベストセラーを何冊も出している有名作家です。
夢中になること間違いなし!なので、ぜひ一冊読んでみてください。
ほかには、Jojo Moyesの作品もとても読みやすい部類の洋書です。
”Me Before You”は映画化もされています。
話にのめりこむことができれば、ちょっと大変でも最後まで読みたいという気分になります。
最初の2チャプターくらいは大変ですが、「続きが知りたい!」と思うところまで頑張れば、あとは一気に読む事ができます。
まとめ
英文多読を否定するわけではありませんが、最初から誰でもたくさんの英文が読めると誤解してしまうと、途中で挫折してしまいます。
きちんとステップを踏んで、焦らずに着実に、英文を読むことに取り組んでみてください。
最初から量をたくさん読もうとしなくても、「今の自分に確実に読めるもの」を読んでいけば、積もり積もって量はあとからついてきます。