ピアノ教室を辞める?やめない?見極め方のコツを紹介!
小学校3・4年生や高学年頃になると、ピアノを辞めるかどうか悩む家庭もあると思います。小学校中学年頃から、辞めるか迷うという話は周りでもよく耳にします。
今回は子供の気持ちと親の気持ち、両方の立場の経験を踏まえて、辞めるかどうかの見極め方を紹介します。
- スッパリとピアノを辞めた方が良いのはこんなとき
- 今のピアノ教室を辞めた方がよいのはこんなとき
- ピアノを続けた方がよいのはこんなとき
- ピアノ(音楽)を習わせて何か良いことがある?
- ピアノ教室を辞める?やめない?まとめ
スッパリとピアノを辞めた方が良いのはこんなとき
音楽自体にまったく興味がない
音楽自体に興味が薄く、全く好きでなければ、ピアノを習い続けたところで得るものは何もありません。残るのは苦痛だった思い出だけです。
我が子が音楽に興味があるのかどうかはこうして確認できます。
憧れの曲や弾きたいと思う曲があるか
いつか弾きたいと憧れている曲や、あの曲が弾いてみたい!(レベル問わず)という希望があれば、それが実際弾けそうなのかはともかく、ピアノや音楽に興味を持っていると言えます。(大抵の場合とても難しい曲に憧れますが、一見絶対不可能と思える曲でも別に良いのです)
クラシック曲でなければいけないのではなく、アニメの曲やディズニーの曲、流行の曲、学校で話題になっている曲など、どんな音楽でも興味があり、好きで弾いてみたいと思えるのなら良いのです。
場合によっては教室を変えたり(ポピュラー曲を多く習える教室に行く)、弾くことより作曲を多く学べる教室に行く、ピアノ以外の楽器や歌などに変えるといった選択肢もあります。
逆にこの「いつか弾きたい」気持ちや「好きな曲」「憧れの曲」がひとつもないのであれば、ピアノはすぐにでも辞めて、別の好きなことを見つけた方が絶対に良いです。
音楽を聴いたときの反応をチェック
大抵の子供は「練習」そのものは嫌いです。
練習が好きか嫌いかではなく、
「なにか音楽を聴いたとき、楽しい気もちや素敵な気持ちになるか」
「何らかの形で自分でも奏でられたら良いと思うのか」といったところを、言葉で子供に聞くのではなく、実際の子供の反応をよくみてください。
音楽が好きな子は、聴くことも絶対に好きです。ジャンルは問いません。
音楽に興味がない子は、音楽を聴くことも好きではありませんし反応も薄いです。
今のピアノ教室を辞めた方がよいのはこんなとき
レッスンに行くのが苦痛(体調が悪くなったり、明らかな拒否反応が毎回ある)
小学校も中学年を過ぎると自分の意志がしっかりでてきますから、このくらいの年齢でもし毎回レッスン前に嫌だと抵抗するようでしたら、それは本当にレッスンを苦痛と感じています。
この状態になった子供に、無理にレッスンを続けさせても良いことはありません。
何が嫌なのかをしっかり子供と向き合って聞きだし、ピアノそのものが嫌なのであれば、やめる方向に考えた方が良いです。
単なる先生との相性や、その教室が嫌、同じ教室のお友達とのトラブルであれば、その教室は辞めて別の教室にかわると良いです。
どちらにしてもいったん辞めて冷静になって、1~2か月くらい過ぎたところで、別の教室でピアノをしたいかどうか子供の気持ちを聞いてみると良いです。
ピアノは長く続けてこそ意味のある習い事なので、たった数か月のブランクは大したことありません。
「先生」や「教室」が嫌なだけであれば、ピアノや音楽そのものを完全にあきらめてしまうのはもったいないです。
ピアノを続けた方がよいのはこんなとき
音楽は好きでセンスがあるけど真面目に練習できない(遊び弾きが多いなど)
小学生が子供ひとりだけの力で、毎日たゆまぬ練習に励むことはとても難しいです。
遊びたい誘惑にもすぐに負けてしまいますし、怠けたい気持ちも出てきてしまいます。
大人の働きかけや、何かのきっかけ(発表会で好きな曲を弾くなど)があってこそ、練習しようと頑張れることも多いです。
毎日の練習を億劫に感じるのは自然な事なので、練習を怠けている→すぐに辞めるべきと考えるのは短絡的です。
趣味の習い事としてピアノをするのであれば、まじめに頑張りすぎるよりも、ちょっと緩いときもありつつ長く続けた方が良いのです。
根底に「ピアノや音楽が好き」という気持ちがあり、わずかにでも「音楽センス」があれば、多少さぼってしまうのは見守ってあげても良いと思います。
今後なんらかのきっかけで練習の習慣がしっかりしてきたり、モチベーションがアップするきっかけがあったりなど、練習さえできるようになれば伸びる可能性もあります。
練習が短いし真面目にしていないわりには、わりと弾ける(練習があまりなくても進むなど)タイプの子は、小学生ですぐやめるのはもったいないです。
もし、課題曲は練習しないのに、全然関係ない曲を適当に弾いたり、音を鳴らして遊んでいる(遊び弾き)ことがあれば、それはピアノが好きなサインでもあります。
好きな気持ちがなければ、わざわざピアノで遊ぼうとは思いません。
この遊び弾きは、趣味で続ける場合の一種の「素質」とも言えますので、遊び弾きをする子は今後ピアノを続けると上手くいく可能性が高いです。
こういった名曲集をひとつ持っていると、知っている曲を弾いてみるきっかけになり、モチベーションアップにもつながります。
右手の音をちょっと拾ってみるだけでも、知っている曲だと楽しいと思えたりします。
この初級編の名曲集は、すべて編曲なしの原曲のものです。
よく名曲の簡単バージョンの楽譜も出ていますが、こちらは原曲で比較的易しいものを集めてあるのがポイントです。
エリーゼのためにやパッヘルベルのカノン、お人形の夢と目覚めなど、ピアノを習う子が誰しも憧れる曲から、ユーモレスクや楽しき農夫、ト調のメヌエットなど、どこかで必ず聞いたことのある曲などが100曲入っています。
クラブ(部活)や勉強で忙しく、練習時間があまりとれないとき
ピアノは身になるまでにとても多くの時間がかかる習い事です。
幼いころから習っていたとしても、小学生の間に辞めてその後ずっと弾かなければ、好きな曲を自由に弾けるようになるという、趣味・特技の段階まで辿りつきません。
多くの場合、そのままするっと手から抜け、その後は弾けなくなってしまいます。
(一部の天才や、一般的でないレベルまで極めていた場合を除く(このケースでは明らかに周囲と違うので親はすぐに分かるはずです))
一部の特殊なケースを除いて、一般的な習い事としては
①そこそこ頑張っていたけど小学生までで辞めた 場合
②のんびり習っていたけど高校生まで続けた 場合
では、②のほうがあとあと上手にピアノが弾け、特技として一生残ります。
①´としてかなり頑張っていたけど辛くなって小学生で辞めたケースでは、
ピアノや音楽そのものを嫌いになるという話もよく耳にします。
子供に期待をかけすぎるのも、性格に合わないと逆効果となる可能性があります。
②のほうが弾けるようになる理由ですが、やはり長い年月をかけて続けていたことが何よりも大きいです。
加えて、高校生くらいまで続けていると、心の内面が育ち、大人の表現もできるようになってきます。
たとえテクニックがものすごくあっても、小学生だとどうしても子供っぽい表現しかできません(天才を除く)
この表現部分を習得するためには、高校生くらいまで習っている必要があります。
高校生までいかなくとも、最低でも中学の終わりくらいまでは習った方が良いです。
そして、このくらい長く習っていると、自分の弾きたい曲を自分で譜読みして、自分でどう弾くか考えることもできるようになっています。
流行の曲や話題の曲程度であればさっと弾けるようになります。
ピアノ独奏曲をきっちり弾く場合は指導を受けるに越したことはありませんが、いったん辞めても、ずっとずっと先の独立した後にレッスンを受けに行くことだってできます。
また、ずっと弾いていなくても、一定の期間練習をすれば、当時の技量まで戻すことも可能な段階になっています。
この段階にきて始めて、つらいこともある幼少期の練習の積み重ねが実ったといえます。
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前置きが長くなりましたが、小学校高学年や中学生になると、勉強や部活などが忙しく、思ったように練習できないことも増えてきます。
それで辞めてしまう人も多いですが、たとえ練習時間がそれまでより減ったとしても、長い年月をかけて続けることに意味があります。
子供に習わせる立場からすると、練習可能な時間が減ってもレッスン代はそのまま、また、練習のサポートができないなどの悩みがあると思います。
経済的に可能でさえあれば、子供の気持ちがピアノにある場合は、細々とでも続けさせた方が子供にとって有益です。
そしてこのくらいの段階であれば、親の練習サポートがなくても続けられることがほとんどです。
発表会に出ない、教材を変えてもらうなどの相談は、希望があればしても良いと思いますし、「発表会に出ない、教材を変える」のほうが「完全に辞める」よりも遥かにポジティブな選択です。
ピアノ(音楽)を習わせて何か良いことがある?
小学校高学年や、中学生以降も続ける場合、ピアノを趣味で習わせても意味がない!と思う方もいるかもしれません。
音楽の道に進むと決めたわけでもないのに、どうして音楽をさせるの?と聞かれることは筆者もとても多いです。
●勉強だけをさせるより逃げ場ができる(切り替えができるようになる)
●勉強や学校以外の世界が広がる(ステージ経験も積める)
●コツコツ頑張ることの喜び・達成感を知ると、勉強や人生にも活きる
など、一般的に言われていることももちろんあります。
これらについては別サイトでもよく書かれていますので、今回は筆者の個人的な考えをまとめてみます。(上記と若干かぶっている部分もありますがご了承ください)
音楽は世界共通
我が家の場合は一番大きな理由がこれです。
国の移動ありという現状から、国をまたぐ転園や転校も子供にさせることとなりますが、音楽をさせていると少し安心感があります。
万が一どこかの国でうまくいかなくても、言葉がうまく通じなくても、音楽を通じて心を通わせる機会もあると思います。
現状は全く考えていないですが、どうしても言語的なもの、文化的な違いなどで困ったとき、どうしようもなくなったときは音楽に行かせるという選択肢もなきにしもあらずです。
我が家の場合、子供が特別な才能を持っているわけではないので、あまり考えていませんが(ほとんどないに等しいと思う)、そういう方法も仮には存在します。
実っても実らなくてもいろんな種を子供にまいてあげるのが良いかなと考えています。
ただ、これは音楽に限ったことではなく、スポーツや他の芸など、non-vervalなものなら同じだとも思います。
また、進路とはちょっと違いますが、学校でうまくいかないことが万が一この先あっても、特技や外の活躍できる場所があると、心は安定するかな?という想いがあります。
国際結婚の子供である娘には、どこの国で生活するにしても何かしら悩むことがあると思います。
音楽で活躍できる場は、日本よりは海外のほうが多いので、穏やかな心で過ごすための保険のような感じです。
そして、楽器がある程度できれば、自分の心を音楽で表現することもできます。
家族のもうひとつの共通語
我が家は家族間でそれぞれ母国語が異なるのですが、音楽は家族のもうひとつの共通語としても機能しています。
親子でアンサンブルができるのもこのうえない喜びです。
普段の練習は子供も大変でしょうし、サポートも楽ではないです。
しかし、一緒に音楽を奏でる喜びはその辛さを何倍も上回ります。
共通語といっても、言葉のように使うわけではありませんが、一緒に奏でると心も通い合いますし、お互いの好きな曲を共有する楽しみもあります。
新しい面白い曲を見つけた時は、紹介しあったりもします(子供ともします)。
これは、音楽のジャンルは問いません。普段あまり弾かないような曲でも、聴くだけでも面白いです。
必ずしもピアノを習っていなくても聴くことはできますが、ピアノやその他楽器などを習っていれば、音楽に対する理解もぐんと深まっています。
そのぶん、味わえる楽しみも増えると考えています。
ピアノ教室を辞める?やめない?まとめ
我が子も妙齢なので、すぐ上に書いたことはあくまで現時点での考えです。今後どのように変わってくるかはまだ未知の段階です。
記事前半(我が家の話以外の部分)に書いた内容は我が子だけのことではなく、筆者自身のことや周囲のことのすべてを統合してまとめています。
ピアノ教室を辞めるか、続けるかという段階にきましたら、ぜひ目先のことだけでなく先のことを見据えた上で、子供さんと話し合ってみてください。
この記事に書いたことがすべてではありませんので、
子供さんの気持ちと親御さんの気持ちの両方を大切にしながら、ご家庭にとって最善の選択ができることを願っています。
最近こちらの記事の検索率が上がっているので、ピアノや映画に興味のある方はご覧ください